Soon Ah Will Be Done もうすぐ終わる
有名な合唱曲・コーラス
『Soon Ah Will Be Done』(もうすぐ終わる)は、アフリカ系アメリカ人の作曲家・合唱指揮者ウィリアム・ドーソン(William Levi Dawson/1899-1990)編曲による合唱曲。
『ジェリコの戦い』などと同じく黒人霊歌系の合唱曲で、日本でも中学校・高校の合唱祭・コンクールなどで歌われる機会がある。
【試聴】Soon Ah Will Be Done - The Master's College Chorale
18世紀から19世紀にかけてアメリカ大陸へわたったアフリカ人らは、英語について正規の教育を受けていないため、現地アメリカで彼らが耳を頼りに覚えた英語には、彼ら独特のなまり・発音があった(いわゆる「黒人英語」)。
合唱曲『Soon Ah Will Be Done』の歌詞についてもそのなまりが多用されており、冒頭の歌詞を正規の英語表現に直すと次のようになる。
原詞:Soon ah will be don' a-wid de trouble ob de worl'
正規:Soon I will be done with the troubles of the world
実際の合唱曲の中でリズムに合わせてテンポよく歌おうとする場合、「スーン、アー、ウィル、ビー」と一語一語明確に区切って歌うよりも、
「♪スーナウィッビ ダーナウィッダ ターボロッダワー♪」
ぐらいに崩してしまったほうが、実は黒人英語のなまり表現に近いニュアンスが表現できるのかもしれない。なんて筆者は考えてしまうが、学校で歌うときは先生の指導に従ってしっかり歌ってほしい。
歌詞・日本語訳
Soon Ah will be don' a-wid de troubles ob de worl',
de troubles ob de worl',
de troubles ob de worl'.
すぐにこの世の苦しみは終わる
Soon ah will be don' a-wid de troubles ob de worl',
goin' home to live wid God.
すぐにこの世の苦しみは終わる
神の御許へ帰るんだ
<リフレイン>
I wan' to meet my mother
母さんに会いたい(3回くりかえし)
I goin to live wid God.
神の御許へ行くんだ
補足
2番ではリフレインが「no more weepin' an' a wailin' もう嘆き悲しむ日々は終わりだ」、3番では「I wan' to meet my Jesus 主の下へ行きたい」となる。それぞれ3回繰り返し歌われる。
アメリカ民謡の父スティーブン・フォスターの名曲も是非
合唱曲『Soon Ah Will Be Done』のような黒人英語は、『おおスザンナ』、『主人は冷たい土の中に』など、19世紀「アメリカ民謡の父」スティーブン・フォスターが作曲した楽曲にも使われている。
その他、スティーブン・フォスターの作品には、当時のアフリカ系アメリカ人たちの心情が歌われた名曲が多いので、この機会に是非フォスター歌曲を鑑賞してみてほしい。
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