モルダウ(モルダウの流れ) 合唱曲

有名な合唱曲・コーラス

『モルダウ』または『モルダウの流れ』は、チェコの国民的作曲家スメタナ(B.Smetana/1824~1884)による連作交響詩「わが祖国」第2曲に基づく合唱曲。中学校の合唱祭・合唱コンクールなどで歌われる。

同じ原曲に基づく日本語の合唱曲は主に二つ。一つは富山県出身の作曲家、岩河 三郎(いわかわ さぶろう/1923-)による合唱曲『モルダウ』。歌いだしの歌詞は「懐かしき河よ モルダウの 清き流れは わが心」。

岩河氏は、卒業ソングとして知られる『巣立ちの歌』、『親しらず子しらず』、『石仏(せきぶつ)』、『木琴』など、有名な合唱曲を数多く手がけている。

【試聴】岩河 三郎 合唱曲『モルダウ』

二つ目は、平井多美子作詞による合唱曲『モルダウの流れ』。歌い出しの歌詞は、「ボヘミアの川よ モルダウよ  過ぎし日のごと 今もなお」。

【試聴】モルダウの流れ 横須賀市立池上中学校

どちらの曲を実際の学校の授業や合唱祭・コンクールなどで歌ったかによって、思い入れは全く違ったものになるだろう。「懐かしさ」は最高のスパイスだ。

岩河 三郎『モルダウ』の歌詞は、水しぶきや渦の描写、季節の事物、人々の営み・喜びを音と視覚・時間的経過を交えて豊かに表現するなど人間味にあふれ、さすがに数々の合唱曲を作詞作曲してきたベテランの風格が感じられる。

平井多美子『モルダウの流れ』は比較的堅い表現で歌詞も短め(繰り返しが多い)。音楽の授業でも使いやすいように無難な表現が用いられているように感じられる。

特に、平井版では学校教育で呪文のように唱えられる「平和」という例のキーワードが唐突に(やや強引に)歌詞にねじ込まれており、当初から教育現場で教材として使われることを強く意識した作品と思われる。

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