ついに自由は彼らのものだ
合唱曲『鴎』 木下牧子

有名な合唱曲・コーラス曲

「ついに自由は彼らのものだ」が歌い出しの合唱曲『鴎』(かもめ)は、昭和を代表する詩人・三好達治の詞に、『さびしいカシの木』『夢見たものは』などで知られる作曲家の木下牧子がメロディをつけた混声合唱曲。

写真は、『鴎』作詞者の三好達治と親交のあった萩原朔太郎の娘・萩原葉子が出版した「天上の花―三好達治抄」 (講談社文芸文庫)。

三好達治は萩原朔太郎の末妹アイに好意を寄せており、智恵子との結婚後もその思いは強く胸に秘められていた。

『鴎』を含む詩集「砂の砦」が出版される数年前の1944年、アイの夫が他界したことを知ると、三好達治は妻・智恵子と速やかに離婚し、アイに猛烈に求婚した。

夜どおし説得され求婚に応じたアイだったが、地方暮らし(福井県三国町)の単調さや夫・三好達治との不和や深刻な家庭内暴力(DV)に耐え切れず、わずか10ヶ月で結婚生活は終焉を迎えた。

上述の「天上の花―三好達治抄」では三好達治による残酷なまでの家庭内暴力が生々しく描写されており、話題作として第6回田村俊子賞を受賞している。

【試聴】石岡混声合唱団 『鴎』

三好達治『鴎』 詩集「砂の砦」より(現代表記版)

ついに自由は彼らのものだ
彼ら空で恋をして
雲を彼らの臥所とする
ついに自由は彼らのものだ

ついに自由は彼らのものだ
太陽を東の壁にかけ
海が夜明けの食堂だ
ついに自由は彼らのものだ

ついに自由は彼らのものだ
太陽を西の窓にかけ
海が日暮れの舞踏室だ
ついに自由は彼らのものだ

ついに自由は彼らのものだ
彼ら自身が彼らの故郷
彼ら自身が彼らの墳墓
ついに自由は彼らのものだ

ついに自由は彼らのものだ
一つの星をすみかとし
一つの言葉でことたりる
ついに自由は彼らのものだ

ついに自由は彼らのものだ
朝やけを朝の歌とし
夕やけを夕べの歌とす
ついに自由は彼らのものだ

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