フィンランディア 合唱曲
『モルダウ』のように曲全体に日本語の歌詞をつけた合唱版
合唱曲『フィンランディア』は、フィンランドの作曲家シベリウス作曲の交響詩「フィンランディア」の曲全体に日本語の歌詞をつけ合唱向けにアレンジした楽曲。
シベリウス「フィンランディア」に歌詞をつけた楽曲としては、ロシア(旧ソビエト連邦)がフィンランドを侵略していた1941年に、シベリウス本人が合唱曲として編曲した『フィンランディア賛歌』が特に有名。
『フィンランディア賛歌』は原曲後半のメロディが用いられているが、合唱版『フィンランディア』では、合唱曲『モルダウ』のように曲の全体的に日本語の歌詞がつけられている。
上画像:フィンランドの首都ヘルシンキ(Helsinki)
【試聴】伊那市立東部中学校 合唱版「フィンランディア」
YouTubeでは長野県伊那市立東部中学校や長野市立北部中学校による合唱版『フィンランディア』動画がアップされていた。歌い出しは「オーロラ空高く 怪しく雪に映えて移りゆく」。作詞者等の詳細は不明。
その歌詞では、冬戦争および継続戦争によりフィンランドからカレリア地方を奪い取ったロシアの侵略戦争を意識してか、「平和~平和~」とロシアの侵略行為を強く非難する強い意思が感じられた。
ロシアの侵略戦争により奪われたカレリア地方を歌ったフィンランドの楽曲としては、アニメ「ガールズ&パンツァー」劇場版で使われた『サッキヤルヴェン・ポルカ』や、フィンランド民謡『カレリアの丘』などが有名。
フィンランドと交流のある長野県小海町
長野県南佐久郡の小海町(こうみまち)松原湖畔には、1994年にフィンランド・ヴィレッジが建設され、毎年6月頃には「小海フィンランド夏至祭」が開催されるなど、フィンランドとの文化交流が進められている。
2010年12月には「小海フィンランド協会」も設立され、芸術・文化、デザインなど様々な分野で日本とフィンランドの国際親善に向けた様々なイベントが開催されている。
上述の小海フィンランド夏至祭では、フィンランドの伝統的な民族楽器であるカンテレの演奏会(ミニ・コンサート)のほか、現地の夏至祭でも行われるユハンヌス・コッコ(かがり火)やキャンドルアート、サウナ体験、フィンランド料理の出店など、長野の自然とフィンランドの文化が同時に楽しめる。
上述した合唱版『フィンランディア』の動画は長野県の中学校によるものだったが、もしかしたら、この合唱曲はこうしたフィンランドと長野県の交流から生まれたものなのかも知れない。
もし6月頃に八ヶ岳や松原湖などの長野県観光をお考えならば、是非「小海フィンランド夏至祭」についても観光ルートの一つに検討されてはいかがだろうか。
関連ページ
- シベリウス交響詩「フィンランディア」
- 原曲が作曲された1899年は、ロシア帝国によるフィンランド支配の方針が大きく転換され、フィンランドの自治権は奪われて急速にロシア化が進められた年だった。
- フィンランディア賛歌 シベリウス
- ロシア(ソビエト連邦)による侵略戦争(冬戦争・継続戦争)により国家存亡の危機に立たされたフィンランド
- フィンランド歌謡『サッキヤルヴェン・ポルカ』
- アニメ「ガールズ&パンツァー」劇場版で継続高校のミカがカンテレで演奏
- フィンランド民謡『カレリアの丘』
- カンテレの名曲として知られるほか、カレリア共和国 国歌のメロディに使われている。
- 学校・コンクールで歌う有名な合唱曲
- 『大地讃頌』、『手紙』、『YELL エール』、『心の瞳』など、小学校や中学校、高校の音楽の授業や校内合唱コンクール、NHK合唱コンクールなどで歌われる有名な合唱曲