仰げば尊し 歌詞の意味と原曲

卒業ソング・卒業式の歌/いまこそ 別れめ いざさらば

『仰げば尊し(あおげばとうとし)』は、明治時代から伝わる定番の卒業ソング・卒業式の歌

原曲は、19世紀アメリカの合唱曲『Song for the Close of School』。

かつては卒業式といえば『蛍の光』か『仰げば尊し』が歌われていたものだが、歌詞の古臭さや時代の変化を理由として、あまり公式行事の中で歌われなくなっているようだ。

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歌詞

仰げば尊し わが師の恩
教えの庭にも はや幾年(いくとせ)
思えば いと疾し(とし) この年月(としつき)
今こそ別れめ いざさらば

互いに 睦(むつみ)し 日頃の恩
別れるる後にも やよ忘るな
身を立て 名をあげ やよ励めよ
今こそ別れめ いざさらば

朝夕慣れにし 学びの窓
蛍の灯火(ともしび) 積む白雪(しらゆき)
忘るる間(ま)ぞなき ゆく年月(としつき)
今こそ別れめ いざさらば

歌詞の意味・現代語訳(意訳)

仰ぎ見るほどに尊い 先生への恩
この学校に通い初めて もう何年も経った
思い起こせば とても早く感じた 学校の日々
今まさに別れよう さようなら

互いに仲良き友との絆
卒業した後も忘れない
一人前になり 世に認められ さあ励もう
今まさに別れよう さようなら

朝から夕方まで 慣れ親しんだ学校
蛍のともしび つもる雪
忘れはしない 過ぎし日々
今まさに別れよう さようなら

「いと疾し」について

「疾し(とし)」は、速い・早いを意味する古語。「いと」は「とても」の意味。

武田信玄の「風林火山」で「疾きこと(ときこと)風の如く」とあるが、この「疾き」も『仰げば尊し』の「疾し」と同じ意味。

「風林火山」については、こちらのページ『武田節(たけだぶし)』で詳しく解説している。

「別れめ」について

「今こそ別れめ」の「め」については、意志を表す助動詞「む」の已然形。「こそ」は強調の係助詞(係り結び)。

「別れるのはつらいけど、さあ別れよう」という前向きな意思が表現されているのだろう。

「やよ」について

「やよ忘るな」、「やよ励めよ」の「やよ」は、現代語では「やあ。おい。さあ。」など、呼びかけるときに発する語。

蛍の灯火 積む白雪

昼も夜も勉学に励むことを称える故事成句「蛍雪の功」(けいせつのこう)を暗示している。

卒業ソング『蛍の光』(ほたるのひかり)の冒頭の歌詞にある「蛍の光 窓の雪」も同じく「蛍雪の功」に基づいている。

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